野崎宵の 飲食店とホテルの記録

飲食と宿泊 備忘録

蕎麦の店とは ふんいきに飲みこまれることである

※「よき店」欄は随時増補。

 

よき店

・くろつぼ(上田市

・井泉庵(せいせんあん)(小諸市

 

食べログなどの評価サイトをひらくと、1ページ目でとたんに★へと目が行ってしまう。あれって総合評価であって味ではないんだよね。総合のなかに、味やらふんいきやら対応やらが含まれている。味だっ、って見るたび直感しちゃうんだけど。

蕎麦の店に入ってさいしょに「いいな」と感じるのは、内装。古民家を改装し、鴨居にモダンな洋柄のガラスなどをはめ込んだりしているのは、店主の心意気を感じる。タベモノ屋なんだからタテモノじゃあね、という話になりそうだが、それはちがう。建物はていねいに作らなければそもそも用をなさない(きたなしゅらんにはそれなりの良さがあるんだけどね)。人気店では入室前に並んだりするが、そのあいだ建物はじろじろと観察される。

「いい感じがすき」

→「いい感じの店だから入りたい」

→「おいしい」

→「また来たい」

「いい感じが好き」な人をつなぎとめる大役をまかす建物。たとえ実際に施工するのが業者であっても、完成品からにじむセンスは店主のものだ。

蕎麦は、その店主が打ったものだ。

ていねいな建物の店主の打つ蕎麦は、丁寧にあつかわれ、提供される。だから蕎麦のこまかな種類やら配合やら機微などわからなくても内装で評価して結構なのである。

 

……それでも、もしかしたら建物は他人から引き継いでやってる店主かもよ?という疑念がわくのも当然のながれ。

どんな店主が丁寧か? かんたんに判断する方法は、「生の草花をいけているか」でわかる。山野草ならなお私の好みである。